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腰痛の保存的治療

まず痛みの原因を突き止めること(診断)が不可欠です。

適切な治療法保存治療でも、腰痛の原因診断をうやむやにして”適当に治療”を行うものではなく、痛みの信号が出ている場所や、原因をまず突き止める事が不可欠です。

原因が明らかになると、攻略法が頭に浮かび、治療法に繋がるわけです。

 

例えば、こんな原因の場合は…

 

▼ 痛みの原因が脊柱管(神経の管)が狭くなっているためなら…

広げる方法を考えたり、神経の血流を増やす方法を考えて治療します。

▼ 椎間板が破れている(ヘルニア)のであれば…

これ以上破れないよう防御策を考えたり、破れた程度により異なった治療対策を立てます。

▼ すべりがあったり曲がっていて、不安定(ぐらぐらして)で自分の体重を支えられないのであれば…

支持力をつける方法を考えます。

▼ 脊髄がけん引されて痛みが出ている病態(脊髄係留症候群)であれば…

けん引を除く事を考えなければなりません。

▼ 細菌による感染、悪性、良性の腫瘍の場合は…

これらに対応した治療方法を模索します。

 

保存治療


保存的治療のステップ

 

STEP 1 診 察

例えば) 腰が痛い・歩くと足がしびれる。

 

保存的治療のステップ

XP、MRI
造影検査
電気診断、筋電図

 

 

STEP 2 診断と痛みの原因(病態)の理解

 最も大切! 痛みの病態により治療作戦が変わります。

診断の結果「腰椎変性すべり症」だった場合

いたみの病態例えば、いたみの病態は…

▼ 急性期か慢性期か、きっかけは、外傷の有無は?
▼ 不安定性(ぐらつき)の程度は?
▼ 狭窄(神経の管が狭いか)、その程度は?
▼ 主病巣は神経根(神経の枝)の圧迫か馬尾(神経本幹)の圧迫か?
▼ 神経の機能障害があるか、またその程度は?
▼ 痛みの過敏性が生じてないか?

STEP 3 病気の自然経過をながめる

腰椎変性すべり症は憎悪傾向を示す場合が多く、一方ヘルニアは自然経過の最終過程で脱出が著明になると、次は脱出したヘルニアが吸収され自然治療に至ります。 このように自然経過は各腰痛疾患により異なるので、患者さんの腰痛疾患がその自然経過のどの時期に位置するのかを判断して治療戦略をたてる事も重要です。

例えば…

大きく膨隆したヘルニアはさらに自然経過を前へ進めて、敢えてヘルニアを包む靭帯を破る方法をめざす場合もあります。

ヘルニア

STEP 4 保存治療での改善の見通しを説明

病態によっては痛みが全て消失するまでの回復は期待できない場合や、保存的治療の限界がある場合もあります。
患者さんの腰痛が保存治療でどこまで改善できるか、手術が必要となる可能性がどの程度あるかなどを説明して、理解していただく事も必要です。

STEP 5 その上で患者さんの病状に合わせて種々の治療手段を使い分ける

▼ 薬剤、ペインクリニック的治療
▼ 運動療法、手技療法(マニプレーションなど)、東洋医学的治療法
▼ 物理療法
▼ 疼痛理論の応用

いたみの病態例えば…

腰椎変性すべり症で慢性の腰痛と座骨神経痛があれば、脊柱管(神経の管)を広げる事を目的として処方された運動療法を行ったり、神経の血管を広げる薬を使うなどの方法があります。同じ腰椎変性すべり症でも腰痛だけで脊柱管の狭窄が軽度であれば、腰椎の支持力(体を支える力)を高める事を目的とした運動療法を行うことが挙げられます。

というように患者さんの痛みの病態により異なるわけです。


腰痛手技療法に造詣の深い理学療法士

 

ヘルニア

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